アパレル店舗 お洋服が捨てられるまでとサーキュラーな取組み紹介

商業施設のアパレル店舗で並んでいる洋服、どのように廃棄までの進んでいくのか、アパレル店長経験もある友人に聞いてみました。洋服の大量廃棄、衣料廃棄ロス問題が騒がれています。日本全体で売れ残る服の数は年間15億着だそうです。商業施設内では飲食店舗からの生ごみの重量がもっぱら多く、アパレル店舗の廃棄物量は比較的少ないです。商業施設内の廃棄物問題ではアパレル店舗の廃棄物はあまり目立たないのですが、プラスチック新法もありハンガーや洋服カバーの削減も求められる今、まずはお洋服の流れをおさらいです。

施設での商業店舗の廃棄物 飲食と物販店舗で傾向が異なる

商業施設での廃棄物をチェックしてみると、重量ベースで多くを占めるのは生ごみです。水分を含んでいて重たいという理由もあります。例えば、カフェからはコーヒーかす、調理時の野菜くず、食べ残しなどが生ごみとして排出されます。また、テイクアウトやファストフード、コンビニの店頭に並べられない商品の廃棄も話題になっていますね。

例えば、渋谷区では条例により、事業用大規模建築物からの廃棄物に関してリサイクル率80%を目標としています。

第24条の2 事業用大規模建築物のうち事業用途に供する部分の床面積の合計が1万平方メートル以上である建築物の所有者は、4月1日から翌年の3月31日までの期間に当該建築物から排出される事業系一般廃棄物について、その重量(再利用する重量を含む。)に0.8を乗じて得たものの重量以上のものを再利用しなければならない。(追加…26年51号)

渋谷区清掃及びリサイクルに関する条例 https://www.city.shibuya.tokyo.jp/reiki_int/reiki_honbun/g114RG00000374.html#e000000395

アパレルの店舗から衣服を廃棄することはほとんどない

実際の流れは以下の通りとのことです。アパレル店舗ではシーズンでの商品入れ替えを行います。店舗では在庫をシーズンの終わった商品の在庫を補完することはほとんど無く、一度倉庫に戻すようです。理由は、店舗のストックの圧迫をしてしまう点、また店舗在庫を多く保持すると新規商品の量を裁くことができず、店舗の利益が薄くなることもあるためです。

シーズンオフの商品の大量償却と言えば、「英高級ブランドのバーバリーが昨年、ブランド保護のために衣料品やアクセサリー、香水など2860万ポンド(約41億8000万円)相当の売れ残り商品を破壊・処分していたことが分かった。」と報じられたのは記憶に新しいですよね。この報道直後、バーバリーは廃棄や動物の毛皮の使用をやめることを発表しています。

店舗でシーズンオフになった商品のゆくえ

では、各店舗でシーズンオフになった商品はどうなるのでしょうか。友人へのヒアリング結果はこの通りです。いわゆる商業施設に入っているチェーン展開する大手アパレルでのパターンとのことです。

・シーズンオフのものは、各店舗からアパレル企業の地方倉庫に送り返して集約する。

・その後は、アウトレット用在庫として扱われるケースが多い。

・いわゆるB品(訳アリ商品、ディスプレイ用商品等)はB品セールで売れるもの、売れないものに分類。売れないものは本部で焼却処分する。

うらばなし

・最近はアウトレットの集客力が高く、通常の店舗と同様となっていることから、アウトレット専門商品を作ることもあるためアウトレットではブランドの廉価版商品が出回っていることもある。

・裏話として「福袋」も従来のような売れ残りではなく、福袋用に商品を製作したものを混ぜているとのことです。

来年は福袋も買ってみようかしら。

店舗が撤退する場合

商業施設では店舗の入れ替わりも激しいですよね。店舗が撤退する場合は、店舗の品物などはどうなるのでしょうか。

・個別の店舗が閉店する際は、本部の倉庫(地方倉庫)に集約、営業継続の店舗在庫に回す。

・ブランド自体が撤退する場合は、グループのアウトレット店舗で在庫処分を行うケースがある。

・量販店が一部買取・在庫処分を行うケースもある

・店舗で使用していた家具(什器類)は、次の新規店舗やほかの店舗に引き継ぐ場合がある

とのことです。店舗からの一次引取り手はいるようですね。本部での処理方法によってブランドの姿勢が良くわかりますね。

取り組みの事例

衣服の廃棄については、色々なフェーズでの対応が必要だということがわかりました。一度消費者の手に渡ったものを店舗で回収してリサイクルに回す取り組み reUniqloもありますね。以前、このブログでも「ユニクロの店舗リサイクル RE.UNIQLO」についても記事にしました。

ブランドを傷つけない中古市場[Rename]

ブランドタグを付け替えて、ブランド名を隠し販売するサイトです。大量廃棄をする背景にブランドのイメージ維持があります。その問題に着目しタグを付け替え売りなおすサービスです。

ちなみにRenameさんのnoteはすごく読みごたえがあり背景がわかりやすくまとまっているのでお勧めです。

売っているお洋服は新品なので、純粋にデザインや質感を気に入って購入することができます。しかも安い!

不要な衣服の回収とリサイクル[BRING]

店頭でハチのマークの段ボール箱を見たことは無いでしょうか。ブランドを問わず衣服を回収するサービスです。各メーカーの自社製品を回収する取り組みはありましたが、どのメーカーでもOKという姿勢は少なかったように思います。集めた衣服は分別しそのままリユースしたり、成分にまで分解してケミカルリサイクルをかけることもあるようです。2021年11月に恵比寿に直営店ができたとのこと。ぜひ訪れてみたいと思います。

BRING EBISU:https://bring.org/pages/bring_shop

ファッションロスについては勉強をし始めたところです。他の事例なども見つけたら記事にしていきます。

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