環境問題を学べる映画6選
多くの分野で環境に関する問題をかかえている上に、それに対する取り組みや政策もまさに今アップデートされている最中なので、概要をつかむのが難しいですよね。映画なら2時間程度で各分野の直面している問題や、その背景を理解することができますのでとっておきの教材です。
今日は、環境学習という視点で今まで見てきた6本の映画をまとめて紹介します。家族でお家でなごみながら見られるものもラインナップしました。
プラスチック問題に興味があるならイチオシはこちら
『The Story of Plastic』(95分/アメリカ/2019年)
監督:Deia Schlosberg
95 分/米国/ 2019
「『The Story of Plastic』は、プラスチック汚染による深刻な環境被害・健康被害や、”リサイクル神話”について学べるドキュメンタリー映画です」
感想:日本語訳版は、グリーンピースのイベント参加でのみ鑑賞可能です。英語版はYoutubeのディスカバリーチャンネルやコミッティーのホームページにアップされています。この世のプラスチックの半分以上は過去15年の間に生産された。という事実に驚きました。近年になってプラスチック問題が大きく騒がれているのは、圧倒的に増加しているからなのだと納得しました。また、受け入れ先出会った中国や東南アジアなどの世界各国の現地の映像がリアルに伝わってきました。最終的にライフスタイルをどう変えるべきかの提案まであり、大変見ごたえのある映画です。
公式サイト(英語)
youtube視聴はこちら
The Story of Plastic (Full Documentary)
巷にあふれる環境にやさしい製品に疑問を感じた方にはこちら
THE GREEN LIE (邦題「グリーン・ライ ~エコの嘘~」
監督:ヴェルナー・ブーテ 配給:ユナイテッドピープル
97分/オーストリア/2018年
「「環境に優しい」「サステナブル」耳触りの良い言葉の裏側に隠された残酷な真実に迫るドキュメンタリー」
感想:モノを買うとき「エコ」「エシカル」「サステナブル」「オーガニック」という言葉に飛びついて商品を買ってしまいがちですよね、映画ではこれの危険性を気づかせてくれます。様々な企業が環境への配慮を対応を始め、環境に配慮した商品が市場に出回ってきましたね。一方で、やっているフリをしているだけのものも多く、消費者側も見る目を養わないといけないと啓蒙されます。食品に貼られている認証マークだけを見て安心してはいけないのです。環境にやさしいと思って買っても、大規模な環境破壊が起こっていることもあると。気が引き締まる映画でした。
https://unitedpeople.jp/greenlie/
すてきな老夫婦のライフスタイル!日々の生活のヒントになるかも
人生フルーツ
監督:伏原健之
91分/日本/ 2016
「風が吹けば、枯葉が落ちる。枯葉が落ちれば、土が肥える。土が肥えれば、果実が実る。コツコツ、ゆっくり。人生、フルーツ。」
感想:素敵な老夫婦の丁寧な暮らし。夫の修一さんは住宅公団の都市計画をしていたということもあり、建築を学び都市開発をしている身としても、「都市と自然の共生」についてもやもやしている部分を疲れたなと思いました。自然と呼応し自身の手の届く範囲で暮らすことが、本当の意味での豊かさなのではないでしょうか。モノがあふれ日々に忙しくしている方にこそ観ていただきたいような、気持ちの良い深呼吸ができるような、作品でした。
モチベーションアップにはこの2本
TOMORROW パーマネントライフを探して
監督:メラニー・ロラン(女優)、シリルディオン(ジャーナリスト、俳優)
120分/フランス/2015
「活動家・ジャーナリストのシリル・ディオンと、フード、エネルギー、マネー、教育の今を巡る旅に出た。“新しい暮らしを始めている人々”との驚きの出会い。世界とつながりシェアしながら、新しいライフスタイルが見えてくる―。」
感想:とっても好きな映画になりました。環境問題の映画は啓蒙の意味が強いものが多い中で、この映画は解決策を紹介しています。しかも、出てくる人たちも新しい生活に希望を見出していて全体的に明るい。こういうモチベーションで環境問題に向き合いたいな、こういう暮らしを目指していきたいなと思いました。環境配慮のみでなく、地域のコミュニティを作りだしたり、新たな教育方針も今後人類が上手に地球に暮らすために、気づかされることもたくさん。2015年の映画ですが、まだまだ追いついてないなぁ。
http://www.cetera.co.jp/tomorrow/
立ち上がる女
監督:ベネディクト・エルリングソン
101分/アイスランド/2018
「彼女はアイスランドから世界を救う─。
とぼけたユーモアと人生の苦み、音楽と自然に彩られた、強さと優しさの物語」
感想:アイスランドの美しい村にあるアルミ工場。これによって自然が破壊されてしまう。危機感をもって一人の女性が立ち上がります。一方通行で危機を訴えるというよりは、主人公の背景や想いに共感しながら見られる作品です。国による情報操作の描写もリアルでした。一方で音楽が美しく、音楽隊が出てきて、生音をその場で鳴らします。広大なアイスランドの映像も本当に美しいです。主人公は、思っている以上に過激な手法に出るので、ひやひやするシーンもあります。
http://www.transformer.co.jp/m/tachiagaru/
自然の美しさを改めて感じたい
FIVE SEASONS The Gardens of Piet Oudolf
監督トム・パイパー
2017年製作/75分/アメリカ
「「FIVE SEASONS ガーデン・オブ・ピート・アウドルフ」は、トーマス・パイパー監督による受賞ドキュメンタリーです。秋からはじまる5つの季節を巡り、今日、最も影響力を持つプランツマン&ランドスケープ・デザイナーであるピート・アウドルフによりそい、彼の創り上げてきた数々のガーデンを追う詩的な世界に浸る作品です。」
感想:ニューヨークのハイラインのランドスケープ等を手掛けたオランダ人ピートアウドルフのドキュメンタリーです。細かに植える位置や苗の数を決めて配置をしていく様は神業。手書きの図面がカラフルで、一つひとつの植物が季節や天候によってどのような表情を見せるか計算されつくしたガーデニングを行っていきます。特に、秋や冬の枯れている花の咲いていない植物の美しさには息を飲みました。植物がまとまって風にそよぎ、ふわふわに見えたり、美しく雨粒がたまったり。都心で自然と触れ合う機会が少ないと忘れがちですが、植物の美しさを改めて感じさせる素敵な映画でした。