自治体ではリサイクルできない紙資源?!アルミ付き紙容器「テトラパックリサイクル便」を頼んでみた

2024年4月追記:こちらのサービスは終了しました。詳細はこちらの記事を確認してください。

アルミ付き紙容器「テトラパックリサイクル便」サービス終了していた

テトラパックリサイクル便サービスが終了。 豆乳やジュースに使用されている紙容器テトラパックの、家庭から専門のリサイクル工場に送りリサイクルができる回収サービス「…

紙容器でも裏側にアルミの加工をしてある「テトラパック」は、特別な処理をする必要があるため通常の紙資源として回収にまわしてもリサイクルができません。そこで「テトラパックリサイクル便」を使えばどなたでもサイクル品として資源化できると知り、試してみました。実際の手順や気になった点をレビューします。定期的にテトラパックのなにかをご利用する方にはオススメです。豆乳やジュースに使われていますので、ご家庭で日常的に使っている方も多いのでは。

テトラパックのリサイクル

テトラパックは自治体の「紙資源」としてリサイクルに出してもリサイクルされない?!

テトラパックは飲料容器に使われる紙パックです。裏側にアルミの加工がしてあるものです。内容物を外からの匂いや紫外線などから守り、品質を一定に保つため加工された紙容器として世界中で使われています。ご家庭でも豆乳やジュース、パウチ食品などに使われていて、身近な品ですね。

ところが、テトラパックは「紙資源」としてリサイクルに出してもリサイクルされないのです。

例えば、紙資源となる牛乳パックは、紙のみ(両面にはポリエチレン加工しているが)でできています。一方でテトラパックは、下図のように紙にアルミ箔を重ねて使用しています。通常の紙類のリサイクル処理ではアルミ箔をはがす作業を行わないため、自治体のごみ回収の「紙資源」として出しても、テトラパックはリサイクルされない状況となっています。だからと言って燃えるゴミに出すのは、悔しいですね。

板紙
テトラパックの紙容器の包材(https://www.tetrapak.com/ja-jp/solutions/packaging/packaging-material/materials より引用)

テトラパックリサイクルはどう行われるか?

テトラパックリサイクル便にて回収したテトラパックは、プラスチック(ポリエチレン)を分離し、アルミを分離し、紙部分(パルプ)はトイレットペーパーに生まれ変わります。紙以外の部分は燃料としてサーマルリサイクルされるそうです。それぞれがどう処理されたかの具体的な開示は消費者を安心させてくれますね。

手順:テトラパックリサイクル便は箱のまま機会に投入され粉砕されます。粉砕後は水でふやかしされ、遠心分離機でアルミ箔などが取り除かれます。更に、裏ごししながらポリエチレンを取り除き、インクを洗い出します。この工程を経て、紙の原料パルプを取り出し、トイレットペーパーに再加工します。

回収:まずはお住まいのお近くにスーパーマーケットや生協での店頭回収がある、自治体の回収や公民館等での集団回収がある皆様は、そちらをご利用ください。とのことです。

例えば都内では、いなげや、オーケー、コモディイイダ、サミット、ピーコックストア、ベルク、マルエツ(一部)、ヤオコー、ライフ等のスーパーマーケットでは店舗で回収を実施しています。落ち悪にある場合は、店舗に持ち込むのが一番です。近くにこのような回収拠点がない場合に「テトラパックリサイクル便」がおすすめです!

各都道府県の回収拠点の検索はこちらから:http://www.eco-kami.jp/alupa/recycle/search.html

テトラパックリサイクル便の利用方法(無料!)

お近くに、回収拠点がない場合にオススメな「テトラパックリサイクル便」のお申し込み方法をご紹介します。この仕組みを利用すると、家庭から直接リサイクル工場に使用済みのテトラパックを送ることができます。ちなみに無料です!本サービスは2008年から開始をしており、2021年4月までで85トン近くのテトラパックを回収したとのことです。インターネットで手続きができるのでとても気軽です。

1.テトラパックリサイクル便を申し込む

早速、申し込み方法の紹介です。こちらのページからテトラパックリサイクル便を申し込むことができます。https://www.recycle-bin.jp/howtouse.html

1.初回の「テトラパックリサイクル便」の箱を注文するには、新規メンバー登録を行う必要があります。「新規メンバー登録」をクリックします。

わかりやすいページです

2.規約に同意し、入力フォームに情報を入力します。ここで入力した住所に「テトラパックリサイクル便」の箱が届きます。

全て入力すれば完了

3.入力が完了すると会員IDを振られます。入力フォームに登録した時点で、1箱注文済みとなります。箱は指定した住所に届きます。

4.登録したメールアドレスにも登録完了のお知らせが届きます。これで手順はすべて完了です。あとは「テトラパックリサイクル便」を待つのみです。なお、リサイクル便はポストに投函可能なサイズなので、在宅し待っていなくとも届きます。便利ですね。

(追加注文):個人メンバーページにログインし、回収箱の発送を依頼

上記のフォーム入力時点で1箱が指定した住所に届きます。2回目以降もう1箱追加したい場合は、以下の手順で再度発注します。私は初回注文時にうっかりこちらでもひと箱注文をしてしまい、自宅に2箱届きました。笑

1.こちらのURLからhttps://www.recycle-bin.jp/ 個人メンバーページにログインします。メールに来ていたIDと自身で設定したパスワードで入ります。以下の画面が開きます。

2.「専用回収箱のご請求」をクリック。開いたページで「専用回収箱を請求する」を押します。

3.これで完了です。後は、登録した住所に「専用回収箱」が送られてきます。2回目からは簡単ですね!

2.一週間くらいで専用回収箱到着

フォームに入力後、音沙汰がなく自宅に「テトラパックリサイクル便」が届いたのは、1週間後くらいでした。リターンパックとあります。A4サイズで薄さ1センチくらいの段ボールです。

横から撮りそびれましたが、届いたときは薄さ1センチ程度
箱の「ここを切り取って開封して下さい」をするとはこの深さ10センチ程に!

3.使用済みのテトラパックを箱に入れる

テトラパックを使用したら、「テトラパックリサイクル便」の箱に溜めていきます。飲み切ったら容器を切って開いて水で流し、乾かしてから箱に入れます注ぎ口やストローなどは外す必要があります。少し面倒ですが、どちらにしろ今までやっていたので、日々溜まっていく楽しさもあります。我が家では豆乳をよく飲みます。

このマークがついているものはOK
パッケージにTetraPackと書いてあるものが対象です。開くとアルミが付いているのがわかります。
正しく開いて入れると1L容器が40枚ほど入るらしい(ほんとうか?)

4.パックがいっぱいになったら発送します。

いっぱいになったら封をします。ゆうパックなので郵便局に持ち込むと発想ができます。もしくは郵便局の集荷サービスを利用します。「テトラパックリサイクル便」の箱には着払い伝票が貼ってあるので、あて名書きや支払いは不要です。今年の1月から3か月くらい溜めてみていますが、まだ、我が家のはいっぱいになっていません。いっぱいになったら、箱を密閉して返送するのみです。今から楽しみです。

送った箱は工場でそのまま処理されるようです。(https://www.recycle-bin.jp/rprocess.htmlより引用)

テトラパックを使った商品

箱を頼んでおいておくだけで、家から出る資源をリサイクルできるようになるのは良いですね。

プラスチック汚染の議論の中で、「飲料水 容器はペットボトルか、アルミ缶かどちらがいいのか?」「紙パックの水をよく見かける」が良いのかなど様々な論争があります。その中でもテトラパックはリサイクルしづらいため、紙製品だが必ずしもペットボトルの代替品とした場合に環境負荷が少ないと言えないという議論もあります。テトラパックの弱点であった回収(リサイクル)がしっかりできれば脱プラの一つの解となるのではないでしょうか。

Havary’s ハバリーズ

日本製の紙パック(テトラパック)のミネラルウォーターです。もともと京都でペットボトル入りの飲料水を販売していた企業が新事業として、紙パックのお水の販売を始めました。最近はローソンやロフト、エシカルシー、Biopleなどの店舗でも取り扱いがあり比較的日常的に手に入りやすいお水です。また、輸入のお水ではなく国産のお水(京都)なので、輸送にかかるエネルギーも少ないという面でもおすすめです。紙パックはFSC認証を取得した材料を使用しています。味は、軟水でくせが無く飲みやすかったです。

ハバリーズホームページ 

ココナッツウォーター

ココナッツウォーターは、癖が少なく(少なすぎ?)甘くないポカリスウェットのような味がします。ココナッツウォーターは天然のスポーツドリンクと言われミネラル分が豊富に含まれます。特にカリウムが多く、むくみ解消にも効果的です。こちらはコストコで手に入るココナッツウォーターです。梨の果汁も入っていて飲みやすいです。9本入りで大変重いので自宅への宅配をお勧めします。

豆乳

「テトラパックリサイクル便」の推進委員会のメンバーには「日本豆乳協会」が入っています。会長はキッコーマンの社長なんですね。豆乳は、料理やスムージーに使ったりそのまま飲んだりしています。イソフラボンを気軽に摂取することができるので常備しています。協会のホームページにはレシピも多数掲載されていました。

感想

「テトラパックリサイクル便」は、家庭から出る資源をそのままリサイクルに回せるいい仕組みだと思います。利用者としてはリサイクル便の手順はとても簡単なので、利用しやすい感想です。あとは、個別にテトラパックを切って開いて洗ってためておくことが面倒ではあります。これは牛乳パックなどで習慣化していれば問題ないですね。

また、消費者は一切金銭的な負担はありません。日本豆乳協会をはじめとする推進委員会やテトラパックが費用を捻出しているようですが本来きちんと回収するのであれば回収拠点を増やしたり自治体からの持ち込みを受け付けたりする必要があると感じました。年間10トンの改修ができているとのことですが、世界で2020年に販売されたテトラパックの容器の個数が1830億個とのことでまだまだリサイクルできていない分も多いのではないでしょうか。

調べていく中で、日本国内のテトラパックは静岡県御殿場市の向上でほとんどが出荷されていると知りました。この工場では再エネ電力であるグリーン電力を活用するなどCO2削減の取組も実施したり、地元の雇用を創出するなど社会的な配慮もされている企業だという印象を受けました。今後も、リサイクルしずらいテトラパックの周りを調べることを通じて、少しでも脱プラや環境負荷の少ない暮らしをしていきたいと思いました。

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